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| 意味 | ありのままの自分を受け入れる感覚 | 「自分にはできる」という自信 |
| 基準 | 無条件 | 課題・目標に対して |
| 例 | 「失敗しても、私は私で大丈夫」 | 「この仕事は私ならうまくできる」 |
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自己効力感は「特定の課題に対する自信」なので、成功体験を積めば高まりやすい傾向があります。
一方で、自己肯定感は心の土台のようなもの。自己効力感がうまく育つためにも、まずは自己肯定感という土台をしっかり整えることが大切なんです。
自己肯定感が低い人の7つの特徴
「自分の自己肯定感が低いかどうかわからない」という方もいらっしゃると思います。ここでは、カウンセリングの現場でよくお見かけする特徴を7つご紹介しますね。
当てはまるものがあっても、決して自分を責めないでください。「あ、自分にもこういうところがあるな」と、やさしく気づくだけで十分です。
① 他人の評価が気になって仕方がない
「あの人に嫌われたかも」「こんなこと言ったら変に思われるかな」と、常に周りの目を気にしてしまいます。自分の判断よりも他人の評価を優先してしまうため、自分の本当の気持ちがわからなくなることもあります。
② 褒められても素直に受け取れない
「すごいね」と言われても、「いえいえ、全然です」「たまたまです」と否定してしまいます。心の奥では「自分はそんなに価値のある人間じゃない」と感じているからです。
③ 完璧主義で自分を追い込む
「ちゃんとしなきゃ」「ミスは許されない」と、自分に厳しいルールを課しています。完璧でないと自分を認められないため、常に緊張状態にあり、心が休まりません。
④ 「どうせ自分なんて」が口ぐせ
何かに挑戦する前から「どうせ無理」「自分には向いていない」と決めつけてしまいます。過去の失敗体験が強く残っていて、新しい一歩を踏み出すのが怖いのです。
⑤ 人と比べて落ち込みやすい
SNSで友人の充実した投稿を見て気分が沈んだり、同僚の成功を聞いて「自分はダメだ」と感じたりします。比較の対象は常に「自分より上」の人になりがちです。
⑥ NOと言えない
本当は嫌なのに断れない、頼まれると引き受けてしまう。「断ったら嫌われるかも」「自分が我慢すればいい」と考えてしまうのは、自分の気持ちよりも相手の期待を優先してしまう癖があるからです。
⑦ 過去の失敗をいつまでも引きずる
何年も前のミスや恥ずかしい出来事を、ふとした瞬間に思い出しては苦しくなります。「あの時ああしていれば…」と後悔が頭から離れず、前に進みにくくなっています。
自己肯定感が低くなる原因
自己肯定感は、生まれた瞬間から低い人はいません。さまざまな環境や経験を通じて、少しずつ形作られていくものです。
ここでは、自己肯定感が低くなる代表的な原因を見ていきましょう。
親や家庭環境の影響
幼少期の家庭環境は、自己肯定感に大きな影響を与えます。
- 「お兄ちゃんはできるのに、あなたはどうして…」と兄弟と比較された経験
- テストで90点を取っても「なぜ100点じゃないの?」と条件付きでしか認めてもらえなかった経験
- 親の機嫌に振り回され、自分の気持ちを表現することが許されなかった経験
- 「あなたのためを思って」という言葉で、過度にコントロールされた経験
こうした経験を重ねると、子どもは「ありのままの自分では愛してもらえない」と学習してしまいます。これは親を責めるためではなく、今の自分の苦しさの理由を理解するために知っておいていただきたいことです。
学校でのいじめ・人間関係のトラブル
学校生活での経験も、自己肯定感に深く影響します。
- いじめや仲間はずれにされた体験
- 先生から人前で叱責された体験
- グループに入れず孤立した体験
特に思春期は、アイデンティティが形成される大切な時期。この時期に「自分は受け入れてもらえない存在だ」という経験をすると、その感覚が大人になっても心に残り続けることがあります。
比較文化と競争社会
日本の社会では、偏差値、年収、肩書き、容姿など、さまざまな基準で人を比較する文化があります。
「普通はこうするべき」「あの人に比べて自分は…」という比較の中で生きていると、自分のありのままの価値を感じにくくなるのは自然なことです。
SNSによる影響
現代ならではの大きな要因が、SNSです。
他人のキラキラした投稿と自分の日常を比べてしまい、「自分だけが取り残されている」と感じてしまう。いいね数やフォロワー数で自分の価値を測ってしまう――こうしたSNS特有のストレスが、自己肯定感を静かに削っていくのです。
自己肯定感を高める10の方法
ここからは、今日からすぐに始められる自己肯定感を高める方法を10個ご紹介します。
一度に全部やろうとしなくて大丈夫。「これならできそう」と思えるものを一つだけ選んで、まずは1週間続けてみてくださいね。
①「小さな成功体験」を積み重ねる
自己肯定感を育てるうえで最も大切なのが、小さな成功体験を積み重ねることです。
「成功」と聞くと大きなことを想像しがちですが、ここでの成功体験はとても小さなものでOK。
- 朝、決めた時間に起きられた
- いつもより1杯多く水を飲んだ
- 電車で席を譲った
- 苦手な人にあいさつできた
「こんな小さなことで?」と思うかもしれません。でも、「できた」という感覚の積み重ねが、少しずつ自分への信頼を回復させてくれるのです。
②「自分を褒める日記」を書く
毎晩寝る前に、今日の自分を3つ褒める習慣をつけてみましょう。
書くのはノートでもスマホのメモでも構いません。大切なのは「自分の良いところを意識的に探す」という行為そのものです。
最初は「褒めるところなんてない…」と感じるかもしれません。でも続けていくうちに、自分の中にある小さな良いところに気づく力が育っていきますよ。
③「〜すべき」をやめる
自己肯定感が低い方は、無意識のうちに「〜すべき」「〜しなければならない」という思考に縛られていることが多いです。
- 「完璧にやるべき」→「できる範囲でやれば十分」
- 「人に迷惑をかけるべきではない」→「困ったときは頼ってもいい」
- 「常に明るくあるべき」→「落ち込む日があってもいい」
心理学では、こうした硬い思考パターンを「認知の歪み」と呼びます。
「〜すべき」を見つけたら、「〜してもいい」「〜しなくてもいい」に置き換えてみてください。それだけで、心がふっと軽くなる感覚を味わえるはずです。
④ 人と比べるのをやめる
比較は自己肯定感の大敵です。とはいえ、「比べないようにしよう」と意識するほど比べてしまうものですよね。
おすすめなのは、比べる対象を「他人」から「過去の自分」に切り替えること。
- 「あの人に比べて自分はダメだ」→「半年前の自分よりも、少しだけ前に進んでいる」
- 「同期はもう昇進したのに」→「去年の自分にはできなかったことが、今はできるようになった」
また、比較のきっかけになりやすいSNSの使用時間を意識的に減らすのも効果的です。「見ない」のではなく「見る時間を決める」というルールにすると、無理なく続けられますよ。
⑤ 身体を動かす
「心の問題なのに、なぜ運動?」と思われるかもしれません。
実は、運動と自己肯定感には科学的な関連があります。身体を動かすと、脳内でセロトニンやエンドルフィンといった「幸せホルモン」が分泌され、気分が自然と前向きになるのです。
激しい運動は必要ありません。
- 近所を15分散歩する
- ストレッチやヨガをする
- 好きな音楽に合わせて体を動かす
- 階段を使ってみる
⑥ 感謝のワークを取り入れる
毎日3つ、感謝できることを書き出す「感謝のワーク」は、ポジティブ心理学でも効果が実証されている方法です。
感謝の対象は、ほんの小さなことで構いません。
- 「今日も温かいご飯が食べられた」
- 「コンビニの店員さんが笑顔だった」
- 「友だちからLINEが来て嬉しかった」
感謝を意識する習慣は、「自分の日常には良いことがある」と気づく力を育ててくれます。すると、自然と「こんな日常を過ごしている自分もまんざらじゃないな」と思えるようになるのです。
⑦ NOと言う練習をする
自己肯定感が低いと、どうしても「人に嫌われたくない」という気持ちが強くなり、断ることができなくなります。
でも、自分の気持ちを大切にして「NO」と言えることは、自分を守る力であり、自己肯定感を高める大切な一歩です。
いきなり大きな場面で断るのは難しいので、まずは小さなことから始めてみましょう。
- お店で勧められた商品を「今日は大丈夫です」と断る
- 気乗りしない誘いを「今回はやめておくね」と伝える
- 忙しいときに「今は手が離せないんです」と正直に言う
⑧ 環境を変える
自己肯定感は、あなたの周りの環境に大きく影響されます。
もし今、あなたの自己肯定感を下げる環境にいるなら、思い切って環境を変えることも選択肢の一つです。
- 否定的な言葉が飛び交う人間関係から、少し距離を置く
- 応援してくれる人、肯定してくれる人との時間を増やす
- SNSでネガティブな気持ちになるアカウントをミュート・アンフォローする
- 部屋を片づけて、心地よい空間をつくる
環境を変えることに罪悪感を覚える必要はありません。自分を大切にするために環境を整えることは、とても健全な行動です。
⑨ 過去の自分を許す
過去の失敗や後悔に縛られていると、自己肯定感はなかなか上がりません。
ここで試してほしいのが、「あの時の自分に手紙を書く」というワークです。
過去の自分を責め続けることは、今の自分をも苦しめます。「あの時はあれが精一杯だった」と認めてあげることが、自分を許す第一歩です。
⑩ プロの力を借りる
最後にお伝えしたいのは、「一人で頑張らなくてもいい」ということです。
自己肯定感の問題は、長年の思考パターンが関わっているため、一人で取り組むのが難しいケースも少なくありません。
そんなときは、臨床心理士やカウンセラーなどの専門家の力を借りることを検討してみてください。
- 対面カウンセリング
- オンラインカウンセリング(自宅から利用可能)
- 認知行動療法(CBT)を扱う心療内科
プロに頼ることは、弱さではなく「自分を大切にする勇気ある選択」です。
自己肯定感を上げるおすすめの本5選
自己肯定感について、もっと深く学びたいという方のために、おすすめの本を5冊ご紹介します。どれも読みやすく、実践的な内容になっていますよ。
1.『何があっても「大丈夫。」と思えるようになる 自己肯定感の教科書』中島輝
自己肯定感について体系的に学べるベストセラー。自己肯定感を「6つの感」に分解して解説しており、自分がどの部分が弱いのかを具体的に把握できます。豊富なワークが掲載されているので、読みながら実践できるのが魅力です。
2.『自己肯定感、持っていますか?』水島広子
精神科医の水島広子さんによる一冊。対人関係療法の観点から、自己肯定感が低くなるメカニズムと高め方を解説しています。「人間関係の中で自己肯定感を育てる」というアプローチが特徴的で、周囲との関わり方に悩んでいる方に特におすすめです。
3.『嫌われる勇気』岸見一郎・古賀史健
アドラー心理学を対話形式でわかりやすく伝える大ベストセラー。「すべての悩みは対人関係の悩みである」という考え方は、自己肯定感の問題にも深く通じます。「他者の評価を気にしすぎてしまう」という方にぜひ読んでいただきたい一冊です。
4.『敏感すぎるあなたが7日間で自己肯定感をあげる方法』根本裕幸
HSP(繊細さん)や敏感な気質を持つ方に向けて書かれた実践書。7日間のプログラム形式になっているので、「何から始めればいいかわからない」という方でも取り組みやすい構成です。ワークブックとしても使える実用的な内容です。
5.『それでいい。自分を認めてラクになる対人関係入門』細川貂々・水島広子
漫画家・細川貂々さんと精神科医・水島広子さんのコラボ本。漫画とエッセイで構成されており、活字が苦手な方でもスラスラ読めます。「ネガティブな自分でもいいんだ」と自然に思える、心がほっとする一冊です。
自己肯定感についてよくある質問
Q. 自己肯定感が低いのは生まれつきですか?
自己肯定感は生まれつき決まるものではありません。幼少期の家庭環境、学校での体験、社会的な比較など、さまざまな後天的要因によって形成されます。つまり、今からでも高めていくことは十分に可能です。
Q. 自己肯定感を高めるのにどれくらいの期間がかかりますか?
個人差はありますが、小さな習慣を毎日続けることで、早い方では2〜3週間ほどで変化を感じ始めます。ただし、長年かけて形成された思考パターンを変えるには、3か月〜半年ほどの継続が目安です。焦らず、自分のペースで取り組みましょう。
Q. 自己肯定感と自己効力感の違いは何ですか?
自己肯定感は「ありのままの自分を受け入れる感覚」で、何かができるかどうかに関係なく自分の存在を認める気持ちです。一方、自己効力感は「自分にはそれができる」という課題に対する自信のことです。両方大切ですが、土台となるのは自己肯定感です。
Q. 自己肯定感が低い人におすすめの本はありますか?
中島輝さんの『何があっても「大丈夫。」と思えるようになる 自己肯定感の教科書』や、水島広子さんの『自己肯定感、持っていますか?』などがおすすめです。読みやすく、具体的なワークも掲載されているので、実践しながら学べます。
Q. カウンセリングに行くべきタイミングはいつですか?
自分なりに対策をしても「つらい気持ちが2週間以上続く」「日常生活に支障が出ている」「一人で抱えきれないと感じる」ときは、専門家に相談するタイミングです。カウンセリングは心が壊れてから行く場所ではなく、予防やメンテナンスとして気軽に利用できるものです。
まとめ|自己肯定感は「育てていける力」です
ここまで、自己肯定感を高める10の方法をお伝えしてきました。最後に、大切なポイントをまとめますね。
自己肯定感は、筋トレと同じように日々の習慣で少しずつ育てていけるものです。
「完璧にやらなきゃ」と思わなくて大丈夫。今日紹介した方法の中から、一つだけでも「これなら続けられそう」と思えるものを見つけてもらえたら嬉しいです。
自己肯定感が低くて苦しいと感じているあなたは、すでに「変わりたい」と思ってこの記事を読んでくださっています。その一歩を踏み出せたこと自体が、もう素晴らしいことなんですよ。
